13.私の大使館勤務体験
今から、25年前、私は外務省の外郭団体である国際交流サービス協会の派遣員の試験を受け合格し、
在メキシコ大使館の職員となった。
しかしながら、日本にて、そのような試験を受けたにもかかわらず、メキシコにて受けた待遇は、
それはみじめなものであった。
その当時のメキシコの通貨は、ペソであり、1米ドルに対し2.5ペソの価値であった。
派遣員としての、私の月収は円建てで23万円であり、米ドルに換算すると約900ドルであった。
当時、メキシコの物価は、驚くほど高く、日本大使館の一般館員が住宅として使用しているマンションの家賃は、
1000ドル以上であったので、私の給料全てを使っても、支払うことが出来なかった。
その点、外務省から直接来ている全ての館員達は、外交官(ディプロマット)パスポートを所持出来、
さまざまな外交官特権を享受出来るのであった。
私の場合は、オフィシャル(公用)という資格にて、パスポートもオフィシャルパスポートであり、
外交官としての特権は何もなかった。
このような恵まれない待遇を受けながら、
私は、この2年間の契約期間を遂行せねばならなかった。
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