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コロリン・コロラド展 開催の背景
メキシコの人口は、約8千5百万人(1992年)で、日本の約5.3倍の面積を持つメキシコ全土に、
57の種族(先住民)約1千万人が住んでいます。そのうち60%が12才以下の児童です。
先住民は、それぞれ独自の文化・伝統・宗教を保持しており、その優れた内面世界は、世界的に有名な民芸品や
舞踊などに表されています。
先住民族はメキシコ国民、そして、その児童も大切なメキシコの宝であることを
訴えたのは、世界的に有名な女優のオフェリア・メディーナさんでした。
(左から3番目:オフェリアさん。1番左:私。1995年7月9日 幕張メッセ展にて)
オフェリアさんは、元社会開発大臣で次期大統領候補でもあったルイス・ドナルド・コロシオ氏の全面的な
支援を得て、1989年に「(財)メキシコ・インディオ児童健康保護機関」を設立しました。
その活動は、
メキシコ全土のインディオ児童の健康促進のみならず、教育・伝統文化継承と創造活動など、多岐に渡っています。
特に100人以上の医師が、自主的にへき地に住む児童の健康調査を行い、その調査結果にもとづき、
計画的な栄養指導・基本物資の配給・衛生施設付設・健康管理指導の実績は高く評価されています。
オフェリアさんの目指したものは物質の配給だけではなく、インディオの自主努力と生産性を高める
もので文盲率の減少にも大きく貢献しています。
教育向上の一つの活動として、インディオ伝統文化を継承する壁画教育も行いました。
この壁画作成は、各種族の児童が、自由な発送で伝統文化をを表現するもので、
12才以下の児童がグループで作成しています。
それらの作品は、1993年の12月にメキシコ市の国立芸術院で展示され、その鮮やかで創造的な作品は、
全ての観覧者を深く魅了しました。
作品の一つが国連に永久保存されることが、
そのすばらしさを事実で表していると思います。
オフェリアさんは、日本でもブルーリボン書を受賞している大の親日家です。
当時のサリーナス大統領、コロシオ次期大統領候補、並びにノーベル平和賞受賞者
リゴベルタ・マンチェ女史も、初の海外展示を日本で開催することを希望しています。
これは、単に日本メキシコ両国の文化親善交流に留まらず、日本が世界に向かって先住民族に
理解を示す絶好の機会と言えるでしょう。作品の一貫したテーマは、「魂の自由を勝ち取ろう」で、
自分のみならず、他の人に勇気と希望を与える大切さを訴えています。
同世代の日本の児童や青少年にとって、先住民族の長い歴史に育まれた優れた精神文化に
直接接することのできる機会でもあり、苦難の中の明るい希望・勇気・強じんさを学ぶ
すばらしい人生の出会いになると思います。
(開催資料より、一部改変)